ジムで筋トレをして、そのままサウナに入る。Xでも、トレーニングのあとにサウナで汗を流すという投稿をよく見かけます。疲れがとれる気がする、よく眠れた、という声もあります。

では、筋トレのあとのサウナは、体の回復や筋肉のつき方に関係するのでしょうか。関係するとしたら、よい方向なのか、それとも次の日に疲れを残すのか。

この記事では、運動のあとのサウナを調べた研究を順に読んでいきます。まず、トレーニングのあとに1回サウナに入って、次の日の動きを測った研究を見ます。そのあと、80℃を超えるサウナの研究、何週間も続けた研究、たくさんの研究をまとめた分析へと進みます。

ここで紹介する研究の多くは、運動習慣のある若い人や選手を対象に、研究室で決められた手順で行われたものです。心臓や血圧の病気がある人、体調がすぐれない人は、記事の後半「今日から試せること」にある注意もあわせて読んでください。

サウナが回復にいいと言われるのはなぜ?

体が温まると血のめぐりがよくなり、疲れがとれる。筋肉のこわばりがほぐれて、筋肉痛が軽くなる。サウナがすすめられるときによく聞く説明です。

熱で体を温めると、筋肉や血管に変化が起きるという研究もあります。そこから、トレーニングのあとにサウナを組み合わせれば、回復が早まったり、トレーニングの効果が上乗せされたりするのではないか、と考えられてきました。

では、筋トレのあとにサウナに入ると、次の日の体の動きは実際に変わるのでしょうか。

筋トレのあとにサウナに入ると、翌日の動きは?

2023年にフィンランドで報告された研究では、バスケットボールをしている男性16人が、筋力とジャンプのトレーニングをしました。トレーニングのあと、43℃前後の赤外線サウナに20分入る日と、20分座って休む日を、1週間あけて比べています。

トレーニングから14時間後に測ると、垂直跳びの記録の落ち込みは、サウナに入った日のほうが小さくなっていました。筋肉痛も軽く、回復したと感じる度合いも高くなっています。その夜の心拍の様子には、サウナに入った日と休んだ日で差がありませんでした。

同じフィンランドの大学が2015年に報告した研究では、運動習慣のある男性10人が、60分の筋トレのあとに35〜50℃の遠赤外線サウナに30分入りました。この研究では、筋トレから回復していく様子は、サウナに入っても入らなくても変わりませんでした。全力の持久系トレーニングのあとでは、30分後の垂直跳びの記録が、サウナに入ったほうがわずかに高くなっています。

ただ、この2つの研究で使われたのは、40℃台から50℃ほどの、ぬるめの赤外線サウナです。日本のジムや温浴施設でよく見る、80℃を超えるサウナでも同じなのでしょうか。

80℃を超えるサウナだと?

2020年に報告された研究では、競泳とトライアスロンの選手20人が、強いトレーニングのあとに80〜85℃のサウナに8分ずつ3回入りました。比べたのは、マッサージオイルを塗って座って休む日です。

翌朝に50mの全力泳を4本泳いでもらうと、サウナに入った日は、合計のタイムがトレーニング前より平均1.69秒遅くなっていました。座って休んだ日は、平均0.66秒速くなっています。20人のうち15人でタイムが落ち、ストレスの感じ方もサウナに入った日のほうが高くなりました。

著者らは、次の日に強いトレーニングや試合があるときは、運動のあとのサウナに気をつけたほうがよいとまとめています。

運動のあとにサウナに入った日と座って休んだ日を比べた2つの研究。2023年の研究では、バスケットボールをしている男性16人が筋トレのあと43℃前後の赤外線サウナに20分入ると、14時間後の垂直跳びの落ち込みが休んだ日より小さく、筋肉痛も軽かった。2020年の研究では、競泳とトライアスロンの選手20人が80〜85℃のサウナに8分ずつ3回入った翌朝、50m×4本の合計タイムが平均1.69秒遅くなり、休んだ日は0.66秒速くなった。20人のうち15人でタイムが落ちた

運動のあとにサウナに入り、次の日の動きを測った2つの研究(Logrit編集部作成。数値は各論文の要旨から引用)

ここまでは、1回サウナに入ったあとの話でした。では、筋トレのたびにサウナに入る生活を何週間も続けると、筋肉のつき方は変わるのでしょうか。

続けると、筋肉のつき方は変わる?

2025年にフィンランドで報告された研究では、チームスポーツをしている女性40人が、6週間、週2〜3回の筋力とパワーのトレーニングをしました。半分の20人は、トレーニングのあとに50℃の赤外線サウナに10分、週3回入っています。

6週間後、筋肉の量や太ももの筋肉の太さは、どちらのグループでも増えていました。ただ、増え方には、サウナに入ったグループと入らなかったグループで差がありませんでした。一方で、軽いおもりを持ったジャンプの高さと力の出方は、サウナに入ったグループでトレーニング前より伸びていました。ただ、このジャンプは、はじめの時点でサウナのグループのほうが低めでした。

筋トレをせずに、サウナだけを続けた研究もあります。2025年にオランダで報告された研究では、平均73歳の男女14人が、約60℃の赤外線サウナに45分、週3回、8週間入りました。筋肉のまわりの細い血管は増えていました。それでも、筋肉をつくる働きの速さ、太ももの筋肉の太さ、脚の筋力は変わっていません。太ももの筋肉の太さは15.3cm²から15.2cm²、脚で挙げられた最大の重さは46kgから47kgでした。

サウナを何週間も続けた2つの研究。6週間の研究では、チームスポーツをしている女性40人のうち半分がトレーニングのあと50℃の赤外線サウナに10分、週3回入った。筋肉はどちらのグループも増え、増え方に差はなかった。軽いおもりを持ったジャンプはサウナのグループで伸びたが、このジャンプははじめの時点でサウナのグループのほうが低めだった。8週間の研究では、平均73歳の男女14人が筋トレをせずに約60℃の赤外線サウナに45分、週3回入った。筋肉のまわりの細い血管は増えたが、太ももの筋肉の太さは15.3cm²から15.2cm²、脚で挙げられた最大の重さは46kgから47kgで変わらなかった

サウナを何週間も続けた2つの研究(Logrit編集部作成。数値は各論文の要旨から引用)

どちらも十数人から40人ほどの研究です。たくさんの研究をまとめて見ると、どうなるのでしょうか。

研究をまとめて見ると?

2025年に、運動のあとに体を温める方法の研究をまとめた分析が報告されました。サウナと、胸までお湯につかる方法を含む14の研究、合わせて194人が対象です。

1回入ったあとの回復を調べた9つの研究では、よい影響が4つ、はっきりした影響なしが4つ、悪い影響が1つと、結果が分かれていました。何週間も続けた5つの研究では、暑い環境でのランニングがよくなった可能性があった一方、自転車のパフォーマンスや、持久力の指標である最大酸素摂取量は変わっていません。著者らは、研究の質は低いものから中くらいのもので、はっきりした結論は出せないとまとめています。

持久系の運動に絞った別の分析もあります。運動のあとのサウナやお湯につかる方法を続けた10の研究(199人)を合わせると、暑い環境でのパフォーマンスへの効果はごく小さいものでした。この分析でも、結果の確かさは低い、または非常に低いと評価されています。

運動のあとにサウナやお湯で体を温める方法の14の研究、194人をまとめた2025年の分析。1回入ったあとの回復を調べた9つの研究では、よい影響が4つ、はっきりした影響なしが4つ、悪い影響が1つ。何週間も続けた5つの研究では、暑い環境でのランニングはよくなった可能性があり、自転車のパフォーマンスや最大酸素摂取量は変わらなかった。研究の質は低いものから中くらいのもので、著者らははっきりした結論は出せないとしている

運動のあとに体を温める方法の研究を合わせて見た分析(Logrit編集部作成。数値は論文の要旨から引用)

意外な点・読み違えやすい点

ひとつ目は、研究で使われたサウナが同じではないことです。翌日の動きによい結果が出た研究のサウナは、40℃台から50℃ほどの赤外線サウナでした。翌朝の泳ぎが遅くなった研究は、80〜85℃のサウナに8分ずつ3回です。同じサウナという言葉でも、温度や入る時間がかなり違います。

ふたつ目は、楽になった感じと次の日の成績が、いつも同じ向きになるとは限らないことです。2023年の研究では、筋肉痛が軽くなり、ジャンプの落ち込みも小さくなりました。一方で、2020年の研究では、サウナに入った日のほうがストレスを強く感じ、タイムも落ちています。

みっつ目は、筋肉のつき方に差がなかったことの読み方です。6週間の研究では、サウナに入ったグループも入らなかったグループも、同じように筋肉がついていました。サウナで筋肉がつきやすくなるとは言えません。ただ、この研究の範囲では、筋肉のつき方をはっきり妨げたという結果でもありません。

ここで紹介した研究から言えないこと

ここで紹介した研究から、次のことはまだ言えません。

  • 日本のサウナでよく見る、90℃前後のサウナと水風呂、外気浴を繰り返す入り方を、筋トレのあとに続けたときの影響。今回調べた範囲では、この入り方を直接調べた研究は見つかりませんでした
  • 何か月、何年と続けたときの筋肉のつき方。筋肉の量を測った研究は6週間と8週間のものでした
  • 筋トレで挙げる重さや回数が、次の日にどう変わるか。ジャンプや泳ぎ、走りを測った研究が中心です
  • 中高年や運動を始めたばかりの人、ジムで筋トレをしている一般の人に、そのまま当てはまるか。対象の多くは若い選手で、人数も十数人から40人ほどです

血圧や体の水分に関わる研究もあります。2020年にフィンランドで報告された研究では、血圧がやや高めの男性27人が、運動のあとにサウナに入りました。サウナのあとは血圧が下がり、血液の液体の部分も一時的に減っていました。別の研究では、自転車こぎのあとに水分をとらずにサウナに30分入ることを4週間続けても、持久力の指標の伸びは、運動だけのときと変わりませんでした。

まとめ

筋トレのあとのサウナが回復を早めたり、筋肉をつきやすくしたりすると、今の研究でははっきりとは言えません。

40℃台のぬるめの赤外線サウナで、翌日のジャンプの落ち込みが小さく、筋肉痛も軽かった研究があります。一方で、80℃台のサウナに入った翌朝は泳ぎのタイムが落ちた研究もあります。6週間続けた研究では、筋肉のつき方にサウナのあるなしで差はありませんでした。研究をまとめた分析も、はっきりした結論は出せないとしています。

Logritの結論

サウナは、筋トレの効果を上乗せする方法としてではなく、体調と次の日の予定に合わせて使い方を選ぶものとして考えるのが、今の研究に合った見方です。

今日から試せること

  1. 心臓や血圧の病気がある人や、サウナのあとに体調の変化を感じたことがある人は、使う前に医師に相談してください。お酒を飲んだあとや、体調がすぐれないときは入らないでください
  2. サウナでは汗で体の水分が出ていきます。トレーニングとサウナの前後には、水分をとるようにしましょう。入っている途中でめまいや気分の悪さを感じたら、すぐに出て休んでください
  3. 次の日に強いトレーニングや試合がある日は、サウナを短めにするか入らない日をつくって、次の日の動きを比べてみるのもひとつの方法です(研究の結果ではなく、編集部の提案です)
  4. 長く入るほど回復するとは限りません。研究で使われたのは、40〜50℃の赤外線サウナで10〜30分、80℃台のサウナで8分を3回などでした
  5. サウナに入った日と入らなかった日で、次のトレーニングの重さや回数、疲れの感じ方を記録して見比べると、自分に合う使い方を探す手がかりになります(編集部の提案です)

参考文献

  1. Ahokas EK, Ihalainen JK, Hanstock HG, Savolainen E, Kyröläinen H. A post-exercise infrared sauna session improves recovery of neuromuscular performance and muscle soreness after resistance exercise training. Biol Sport. 2023;40(3):681-689. PMID: 37398966 / DOI: 10.5114/biolsport.2023.119289
  2. Mero A, Tornberg J, Mäntykoski M, Puurtinen R. Effects of far-infrared sauna bathing on recovery from strength and endurance training sessions in men. SpringerPlus. 2015;4:321. PMID: 26180741 / DOI: 10.1186/s40064-015-1093-5
  3. Skorski S, Schimpchen J, Pfeiffer M, Ferrauti A, Kellmann M, Meyer T. Effects of Postexercise Sauna Bathing on Recovery of Swim Performance. Int J Sports Physiol Perform. 2020;15(7):934-940. PMID: 31869820 / DOI: 10.1123/ijspp.2019-0333
  4. Ahokas EK, Hanstock HG, Kyröläinen H, Ihalainen JK. Effects of repeated use of post-exercise infrared sauna on neuromuscular performance and muscle hypertrophy. Front Sports Act Living. 2025;7:1462901. PMID: 40104529 / DOI: 10.3389/fspor.2025.1462901
  5. Fuchs CJ, Betz MW, Petrick HL, et al. Repeated passive heat treatment increases muscle tissue capillarization, but does not affect postprandial muscle protein synthesis rates in healthy older adults. J Physiol. 2025;603(1):167-186. PMID: 39373667 / DOI: 10.1113/JP286986
  6. Ahokas EK, Hennessy RS, Hanstock HG, Kyröläinen H, Ihalainen JK. Effects of Post-Exercise Heat Exposure on Acute Recovery and Training-Induced Performance Adaptations: A Systematic Review. Sports Med Open. 2025;11(1):106. PMID: 41032138 / DOI: 10.1186/s40798-025-00910-0
  7. Solomon TPJ, Laye MJ. The effect of post-exercise heat exposure (passive heat acclimation) on endurance exercise performance: a systematic review and meta-analysis. BMC Sports Sci Med Rehabil. 2025;17(1):4. PMID: 39762944 / DOI: 10.1186/s13102-024-01038-6
  8. Rissanen JA, Häkkinen K, Laukkanen JA, Häkkinen A. Acute Hemodynamic Responses to Combined Exercise and Sauna. Int J Sports Med. 2020;41(12):824-831. PMID: 32599642 / DOI: 10.1055/a-1186-1716
  9. Sitkowski D, Cisoń T, Szygula Z, et al. Hematological Adaptations to Post-Exercise Sauna Bathing With No Fluid Intake: A Randomized Cross-Over Study. Res Q Exerc Sport. 2022;93(4):795-803. PMID: 34727008 / DOI: 10.1080/02701367.2021.1921684

※この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療上の助言ではありません。診断や治療の代わりにはなりません。心臓や血圧の病気がある人、体調に不安がある人は、医療機関に相談してください。